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  バブーシュ ( 靴 ) は、革の染め、革のカットなど、全て手作業です。
全行程から計算すると、1 人で 1 日に 3 ~ 5 足くらいしか作れない、という事になります。

  モロッコで作るバブーシュは、手作りの雰囲気がほど良く残っているということが
一番の特徴です。最初は馴染めないかもしれませんが 、規格品には出せない、
ほのぼのとした優しい持ち味に癒されていくかもしれません。


  2003 年頃から、かれこれ 15 年ほど、底がミシン縫いのバブーシュを作って頂いている工房。

古い鉄のミシンでゆっくり 縫って頂く靴は、ソレイユの 「 バレリーナ、ヴィヴィアン、ノエル 」の型 。

  モロッコのバブーシュ工房は靴型を作れない為、各国の企画のかたが独自で
靴原型とパターン型を作ります。
この工房には、フランス人の知人と、デンマークの方なども製作依頼をしています。

まず、靴の原型を起こして、モチーフもソレイユで作り、バブーシュの染料もソレイユで作って、
工房に製作を依頼します。


  刺繍に使う糸はモロッコのサブラ。モロッコシルクと呼ばれている、ツヤツヤの光沢が美しい
植物性繊維です。 100 色くらいの色の中から選び、バブーシュ工房に渡します。

 

  バブーシュを作っていただく工房の道具 、 革をトントンたたく物など。
こんな古い手作りのテーブルが作業台。大きな木の幹です。

今は日本の人々にとてもポピュラーになってしまった、スパンコール刺繍りのバブーシュ、
それを最初に作り初めたのが、この工房、ということです ( 本当かどうかわかりませんが ) 。


  こちらは、鉄のミシン。古い足踏みミシンを電動に直してあります。
6 畳くらいの小さい工房に、ミシンが 1 台だけ。これで縫っていただきます。

  工房の方々は、革を染め、ペンで革にパターン型を書き写して、裁断を行い、
女性による刺繍が終わったら何足分もつなげてミシンで縫っていきます。


スパングルをピンクのハート型に刺繍した、子供用のバブーシュ。
「 ぼくは コレ 、かわいくて 好き。」 ( ミシン職人さんの談 )

つながったままのバブーシュが、ミシン台から床の上に クルクルッと回転しながら落下していくのは、
ちょっと綺麗です。

  縫い終わったら 1 個ずつ切り離して、最後に内側からクルっと裏返して靴の形にします 。
クルッと裏返す際に、縫い留めたスパンコールがポロッと外れてしまうことがたくさんあるので、
それはあとで 1 個 ずつ、留め直しをします。


  手描きで型取ったナチュラルの革。これはルームシューズの靴底に使います。 実は
あなどれない、 靴の底の形。ソレイユが起こした型で、もにょーん とした形に 切っていただききます。



靴底も全て縫い終わったら、最後に中敷の革を接着したら出来上がりです。








ソレイユのサイトのバブーシュで、「 バブーシュ・カフェ 」 と
「 バブーシュ・オリジン 」という型の靴は、上記のような ミシン縫いの方法ではありません、
靴底は全て手縫いで、さらに時間がかかる作り方です。


牛革を使う、手縫いの靴底、
バブーシュ・オリジンと、バブーシュ・カフェ。



手縫いする為の道具。




お手入れ方法

モロッコの靴の一番お手軽なお手入れ方法は、スポンジ状の靴磨きで磨くことです。
100 円ショップで靴クリームの隣に必ず置いてあります。適度にツヤが出て、ホコリも取れ、生き返ります。

作ったばかりのバブーシュは、しばらくの間 、革がうっすら白くなってくる事がありますが
( それは塩分だという事です ) 、それもスポンジで簡単に取れるので大丈夫です。
靴用のクリームは、革がゴワゴワしてしまうものが多いので避けてください。


  スパングル刺繍の糸が、ユルユルと取れそうになっている時は、その部分を早めに
接着してください。接着剤は 100円ショップの製品で構いません。



  革の匂いが気になる場合は、「 天日干し 」をして、湿気を全て飛ばして下さい。
靴の匂い消 しスプレーなども少し効果がありますが、表面では無く内側にスプレーしてください。

バブーシュの保管は、密封しないよう、ビニールなどに入れずに、風通しが良く湿気が無い所をお選び下さい。


  染めをしていないナチュラルの革は、陽が当たると色がだんだん濃くなっていきます、
保管する場合は、陽が当たらないように、ご注意下さい。
それから、水で濡れると革がガサガサになってしまいますのでご注意ください。



  バブーシュの革染めやカットは手作業なので、形は統一されず、ペン跡や糊の跡、
革のムラが残る場合もある為、カッチリ整った規格品のような仕上がりよりも、
手作りの風合いを楽しみたいというお客様にお勧めいたします。

幅広・甲高などにより、サイズに差が生じます。例えば 「 2 5 cm 」でも、男性用と女性用の靴型が
異なりますので、普段ご使用のサイズをご連絡頂くなど、お気軽にご相談下さい 。


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